真っ暗な田舎道を2人で歩いた。
そんな旅を、何回もした。
街灯がない夜道を歩く事を、
東京育ちの私は、全く経験したことなくて、
ただ怖くて何度も足が止まった。
道も方向もわからない。
そんな時決まってととは、
「空を見上げて歩いてごらん。
木々のない月光の空に沿って歩けば安全だから」と言った。
怖いのは自然でも闇でもない。人間だよ。
だから、何もない暗闇を恐れる事はない。
そんなととの声を聞きながら、必死に夜空を見た。
するとだんだん、夜空の上を歩いているかのように思えて来て、
透き通って行く。
闇は強い。体温を、手のぬくもりを、一層強く感じる。
久しぶりにそんな旅がしたいな。